フィンランドの幼児教育・保育【第二回 職員配置と職員構成】



















フィンランドの幼児教育・保育、第二回目では保育所における職員構成について。

フィンランドの保育所では様々な人が働いている。彼らの資格は人によって異なる。
フィンランドの保育所人員配置基準によると、(Tehy ryより)

・三歳以下のクラスの幼児数は、最大で12人(幼児4人につき大人一人)
・三歳以上のクラスの幼児数は、最大で24人(幼児8人につき大人一人)※1
・三歳以上の、一時保育のクラスでは、 幼児13人につき大人一人

※1 この人数配置は数年前に法律改正で変更になった。以前は、三歳以上のクラスの幼児数は、最大で21人(幼児7人につき大人一人)この人数配置を変更するかどうかは、自治体に委ねられている。

フィンランドの保育所では、だいたい1クラスに2人~3人の保育者がいる。
クラスの中に、一時保育の子、全日保育の子が混ざっているので、
職員の配置基準がとてもややこしくなる。
一時保育の子たちは、毎日来て午前で帰る子、決まった曜日だけ全日で来る子など様々。なので、トータルで計算すると配置基準に従っていても、ある曜日だけ子どもが多くなってしまうことがある。

フィンランドでは労働者の立場がものすごく強い。
職員の異動は希望がない限り起こらない。

では、実際に保育所の職員構成について

①Päiväkodin johtaja 保育所長
公立と私立で仕事内容に若干の違いはあるが、ほぼしていることは同じ。
職員のシフトを作成したり、事務の仕事が多い。
保育所によっては、副所長がいたり、幼稚園教諭が所長補佐として機能しているところもある。
フィンランドも財政難なので、一人の所長が複数の保育所を掛け持ちしていることもよくある。

②Lastentarhanopettaja 幼稚園教諭
日本では幼稚園教諭に1種と2種があり、その違いは主に1種を持っていると園長になる資格があるが、フィンランドでは1種2種の違いはない。
1種2種の違いはないけれど、大学卒(Yliopisto)の幼稚園教諭(以下大学幼教諭)とポリテクニックまたは応用科学大学卒(AMK)の幼稚園教諭(以下AMK幼教諭)に差をつけようという動きが出てきている。例えば、クラスの中に大学幼教諭とAMK幼教諭をそれぞれ配置する等。
フィンランドの大学幼教諭は、主に日本の大学生が幼児教育を学ぶように、“教育的なこと”に重点を置いている。たしか3年学士で勉強して、その後院に2年通う人が多い。
一方で、AMK幼教諭はおもに、Sosionomiと呼ばれる社会福祉学部の生徒が、社会福祉士にプラスして取得できる。3年半で。(この社会福祉士も、大学卒の社会福祉士とはまた少し違う)

③Lastenhoitaja, lähihoitaja ラステンホイタヤ(子ども養育者)、ラヒホイタヤ
Lastenhoitajaは今までの資格の名前で、最近はその学部はなくなり、すべてLähihoitajaに変わった。
lastenhoitajaで資格を取得した人はそのままlastenhoitajaとして仕事をしている。
資格のレベルは、高校と同じ。Ammattiopistoという学校の種類に分類される。

④Henkilökohtainen avustaja または  ryhmän avustaja 個人加配またはクラス加配
クラスに特別支援児がいる場合は、さらにこのような人たちがいることも。
でも、この人たちのもとの資格は③の場合が多い。働く時だけ名前が変わっている。

その他
公立の保育所ではだいたい、清掃員の人がいる。その人が、トイレ掃除、食事のあとの掃除、床掃除などをしている。

クラスの職員構成は、Lastentarhanopettajaと、LastenhoitajaまたはLähihoitajaがペアになっているか、Lastentarhanopettajaと二人のLastenhoitajaの3人のところもある。まれに、二人のLastentarhanopettajaがいるクラスもある。





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